クハ5大規模修繕その10

クハ5大修繕
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前回まで

外装、内装の大きな部分は終わりましたが、あとは遠めにはあまり変化のない作業を進めていきます。

今回は窓下の板金作業から。シルと呼ばれる部分の整形をしていきます。

シルとは

その昔、溶接技術が未発達の時代は、部材同士の接合にはリベットが使われていました。
リベットとは頭が半円のボルトのような形をした鋲で、熱した状態で穴に差し込み、反対側をたたいて潰し、抜けないようにするものです。

↓↓こちらにいい動画がありました。↓↓

その昔、東京タワーの建設ではアツアツのリベットをヒョイと上に放り投げ、上の作業員が缶で受け取るというアクロバット職人芸が見られたとか。

昭和20年代まではリベット接合が一般的でしたので、クハ5も御多分に漏れずリベットが多用されています。

外板では窓下部分の接合部を隠すように、シルと呼ばれる部材が取り付けられています。このシルは化粧と防水機能のため、断面が独特の曲線を描いています。つまり・・・作れません

クハ5のシルの状況はというと・・・

どうせぇと・・・

とりあえずケレン

ケレンしてみますが、全体的にこのような状況です。

シルはこのような状態ですが、強度的に重要となる外板の接合部はこの下に隠れており、そちらは健全でした。なので、形さえなんとかなればよいのですが、このような曲線は作れません。

リベット部分だけを残してシルの腐食部分を切り取ります。ひどい錆び方です。

ケレンしてこんな感じ。

形を作ってみる

曲線を鉄板で作るのをあきらめて、ベースだけを再構築して、あとはパテで成型することにしました。

溶接していきますが、元の鉄板が錆びで薄くなっているので、非常に溶接しづらいのと、鉄板の切り出しと溶接個所が多い・・・

ひとまず錆止め

だいぶ溶接でベースができてきました。

最後はパテで

アルミテープと繊維強化パテで形を作っていきます。

これがほぼ前週だったので、時間かかりましたね。それでもアルミテープでふさぐよりしっかりしたものができました。強度に影響しない部分で本当によかった・・・

次回

窓回りの板金作業は終わりましたが、まだまだ板金作業は続きます

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