前回まで
窓回りの板金作業を進めましておりました。
次回も板金と書きましたが、今回は並行した屋根布の展張作業の様子です!
工法と試験
今では鉄道車両の屋根はステンレスの上に絶縁コーティングというのが一般的ですが、その昔、木製屋根の車両はキャンバス張りと呼ばれる、タール帆布張りが標準でした。これは帆布(ハンプ)という丈夫な布にタールを染み込ませて屋根材を屋根に張るというものです。
クハ5も多分にもれず、この工法であり、再現したい!・・・でも完全に防水できる保証がなかったので、テント生地の上から帆布を張る方法としました。
まずは先立って試験を行います。
テント生地にタールを塗ってみて、生地が侵されないかどうか確認します。
大丈夫そうなので、まずは下地となるテント生地を張ります。
実際に生地を張る
テント生地をエアタッカーという、空気圧でホッチキスの針のようなものを打つ機械で止めていきます。
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下地のテント生地を張ったら、いよいよ帆布を張っていきます。
帆布はタケヤリ帆布さんから原反を購入しました。最近は倉敷帆布で話題ですね!帆布がこんなに注目されるとは思いませんでした。
3人がかりで思いっきり引っ張りながら、タッカーでバンバン止めていきます。
屋根布を抑えるのも木工
屋根布が張れたら、押さえとなる胴縁を取り付けていきますが、これがまたボロボロに腐っていましたので、ほとんどを作り直します。特に難儀なのは、ドアの上に取り付ける、雨除けになっている部分です。
丸のこで細かく切り込みを入れて、金づちでたたくと、粗削りができます。あとはヤスリで根気よく・・・
何度でも言いますが、必要なのは手先の器用さではなく根気!
それで、裏側は取り付けたら塗装ができない上に水が溜まりますので、こんかぎり塗料を塗りこんでおきます。
距離が長いので、取り付け位置をちゃんと「墨出し」していきます。
いよいよタール塗り!
そしてまだまだ大きな作業、タール塗りです。
まずは接着剤代わりに、継ぎ目部分にしっかりとタールを塗ります。
そしてあとは、タールを塗っては滑り止めの珪砂を撒いて、を繰り返して・・・
真っ黒なタール塗り屋根の完成です!乾いたら余分な砂を払い落としますが、1週間は余裕で乾きません!
タールを塗ったらシートをかぶせられないので、始めたらやり切らないといけません。なんとかその日のうちに塗り終わりました。
次の作業
大きい作業が終わった・・・と思うのですが、まだ板金作業で大きい仕事が残っているのです。屋根の作業をしながら、こちらも進めていきます。
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